「――…」 だだっ広い大空に平地。緑に色づく木々。“向こう”では有り得なかったものが平然と息衝いている。 見渡す限りのビルに、あらゆる所に張り巡らされた電線。そんなものは一切無く自然が生きていた。 本当に、此処は長閑(ノドカ)だ。 私もここで生まれ育っていたら、都会の闇になんか、呑み込まれずに済んだのかもしれない。