「アンタが来なかったからでしょうが!どこほっつき歩いてんの!これから通う学校なのよ!?」 「―――ああ、そのことだけど」 再び、思い出したように、エクステの睫毛を施した瞳を、ぱちくり。愛莉紗は数回、瞬きした。 愛莉紗が何かを改まって言うときはろくな事ではないと云うことは身に染みて実感している母親。 顔を顰めながらも『何?』と小さい声で娘に尋ねた。 「――――私、帰るよ」 「真麻、愛莉紗を後部座席に乗せて」 「うん」 「は?」 がちゃ ばたんっ ぶおおおおおん――――‥