だからか、菜穂はいそいそと2組の教室に戻ろうと、座っていた机からピョンっと飛び下りた。 そして紫の携帯を置くと。 「ああ〜!そうだあ!」 何かを閃いたように声を上げる。相変わらず教室は静かで菜穂の声はよく響く。もう少しボリューム落とそうよ、と思った。 若干眉を顰め『何?』と聞くと菜穂は私に見向きもせず、隣に座る男を見た。 それに驚き目を見開く。まさか――――――いや。首は突っ込まないって言ってたし。そう思ったがその『まさか』は『まさか』ではなかった。