菜穂は四つ葉のクローバーを両手で握り締めると『えへへ』と嬉しそうに笑った。 机に座り、宙にぶらりと垂れ下がる脚を前後に動かし、今の気分を露にする。かなり上機嫌。よほど嬉しいらしい。 「それどうするの?」 あまりの浮かれように、私は菜穂に問う。ただ単に、ストラップを貰えて嬉しい―――という訳でも無さそうだから。