右手でプリクラを手に取りジッと見つめる。プリクラと言うより、愛しの『たあ君』を。
「たあ君にも会えなくて毎日が詰まんなくってさ。本気でたあ君の所に行こうか考えたときに…」
「…」
「愛莉紗に出逢った」
その目は玩具を見つけた子供のようだった。退屈な毎日に突然プレゼントされた大切な玩具。
「まじ嬉しかった!愛莉紗に出逢えて!何か、こう、グッと来るものがあったよ!感極まった感じ!」
「私も」
力説する菜穂に、私も笑いながら言った。その場しのぎとではなく、本気で私もそう思った。
こんなド田舎で友達なんて絶対に出来ないって思った。気の合う人なんか出来る筈が無いと思ってた。

