「全然いいよお」 愛嬌のある笑顔を見せてくれる菜穂はやっぱり可愛かった。 でも口の周りに付いたポテトチップスの滓(カス)をどうにかしろとティッシュを渡す。 「確かぁ高槻(タカツキ)君だっけ?」 「は?高槻?だれ?」 「愛莉紗の言ってた湊君だよお!高槻湊!」 あの男“高槻湊”って言うんだ。いま初めて知ったよ。“湊”しか知らなかったし。 『ふうん』と頷き菜穂の話に耳を傾ける。