ガンガン鳴り響く 大音響の音楽 バイクの爆音 絶えない笑い声 甲高い女の笑い声 下品な男の笑い声 鼻に付く酒の匂い 体を覆い混む甘い香水 服からは煙草の匂い そして男の匂い―――‥ それら全てが真麻の姉の周りを取り囲み、覆い尽くした。 それが正しい事なのか正しくない事なのかは分からない。しかし姉が楽しければそれでいいや。 そう、真麻は思っていた。