「人生で一度だけ、セーブができるとしたらどうする?」
「セーブ?」

ぼくはききかえした。

「セーブって、ゲームとかにでてくるセーブのこと?」

おねえさんはわらってこういった。「そう」

「セーブポイントを設置するには、『ここでセーブしたい』と強く念じればいいの」
「そうしたら、「セーブしますか?」って聞かれるから、声に出して「はい」って言うのよ」

わかった?とおねえさんはきいた。ぼくはうなずいた。
「セーブしたら、やりなおせるのは一回だけよ」
「やりなおすときは、「セーブポイントまでもどる」って言うの。簡単でしょう?」
おねえさんは、にっこりわらうと、またね、といった。きづいたら、おねえさんはいなかった。