私の前の席の人は、3年になってから一度も学校に来てない。 名前も顔も知らない人だけど、進学とかしないのかな。 私はチラッと後ろを向いて、音楽を聞いている麻桜と何とか目を合わせようとする。 廉夜くんと2人きりで話すことなんてないから助けてー、なんて願いを込めて見つめる。 視線に気付いた麻桜は私と廉夜くんを交互に見つめた後、ニヤッと笑って自分の椅子を引っ張ってきた。 それは私の机の横で止まった。 「ねーあたしも混じっていい?」