【完】お人好しな彼に、恋をしました。


横に並んで歩きはじめてすぐ、彼の手が私の手を捕まえた。



「……えっ!?」



「……え!?っうわ、ごめんっ!」



物凄いスピードで手が離れる。

な、何だ今のは。



触れた彼の手は一瞬だったけど、やっぱり冷たくて。




「ご、ごめん!その……妹とよく手を繋いで帰るから、癖でさ……」



「…ふふっ」




顔を真っ赤にして慌てる彼の姿が何だか面白くて、つい笑ってしまった。