「……大丈夫なわけないだろ。瀬野さんは女の子なんだから、男が本気になったら力じゃ敵わないでしょ?」 彼の黒い瞳から、目が逸らせない。 な、何なの? 種梨くんって意外と頑固なの? さっきから頑なに帰らせてくれないし。 「……じゃあ、駅までお願いします」 「ん、りょーかい」 それ、反則だと思うの。 その笑顔見せられたら必死に断ってたのがすごく悪く感じるもん。