名前を呼ばれた、ただそれだけのことなのに胸が高なった。 「あの頃のまま優しくて、人の気持ちにすごく敏感で温かい君が好きです。 こんな卑怯な俺でもよかったら、お、付き合いしてくれませんか?」 頬を離れ、差し出された手。 返事なんて、決まってるのに。 「……うんっ!」 こんな、夢みたいなことが……あっていいの? 彼は私の初恋の男の子で、それでいて…… 今、大好きな人だなんて。