「……」 「あの時借りたのも、君が読んだことのある本だって聞いたから。本を取りに行くのだって、別に休み時間でも昼休みだっていくらでも時間はあったし。 ……ごめん、俺ってホント卑怯だよな」 種梨くんは自嘲気味に笑った。 「それから、遠足とか勉強会とか……何かと言い訳つけて君と二人きりになるようにしてもらったり。 そうして君とたくさんの時間を過ごすたびに、俺はまた君のことが好きになっていった」