「う、ん……」 私は目をこれでもかってくらいぎゅっと閉じて彼の言葉を待った。 「俺も、君が好きだ」 …………………は? 頭の中に?マークが次々と出てくる。 「……入学式の前の日にさ、クラス発表あったでしょ?」 聞き返す間もなく彼が話を続ける。 さっきまでの涙が驚きで止まっていた。 「その日、自分の名前を見つけるよりも先に、君の名前を見つけたんだ。 一瞬……ていうか、しばらくその場から動けなかった。夢なんじゃないかと思って何度も何度も見返した」