「……私ね、幼稚園の頃に好きな男の子がいたんだ。 意地悪で、意地っ張りな男の子。でも小学校に上がる前にその子は引っ越しちゃって…… 別れ際に彼が言った『また会える』って言葉だけが支えで今までやってきたのに……」 なんで、こんなとこで。 涙が頬を伝う。 「今は、その男の子のことより……種梨くんのことで心がいっぱいで。種梨くんは、彼とは……正反対、なの、に……」 涙が次々に溢れて止まらない。 「あなたが……す、き」