「あなたは、強い人だから。支えなんていらないかもとか、私じゃ頼りないから無理だとも思った。 もっと相応しい子がいるって自分に言い聞かせた。だけど……」 そこまで話して、ふと顔を上げる。 彼がそこにいるか、不安になって。 暗い美術室の中。 表情は見えないけれど、彼はそこにいる。 「欲が出たのかな。私が、あなたを支えられる存在になりたいって思った。 誰よりも、一番近くに……『特別』になりたいって……!」 一呼吸おいて、私は続ける。