「瀬野(せの)、この成績じゃなぁ……」



「で、ですよねー…」




担任も私も苦笑い。




普通よりも少し賢い高校に通ってはいるものの……


大して成績もよくなくて今思えば入学出来たのは奇跡に近かったのかもしれない。





高3の4月。



一応、志望校は決まっているんだけどそれに見合う頭がなく。



家からも遠く少し賢い学校を選んだのは、あいつらから逃げるためだけだったし。



だから、勉強についていけるはずもなくて。





「でも、どうしてもこの大学に行きたいんです!」




とりあえず、熱意だけは伝えてみる。