【完】お人好しな彼に、恋をしました。


「……じゃあ、くだらない昔話でも聞いてくれる?」


「うん」


彼は屋上の真ん中辺りに座り込む。




あ、手……離れちゃったな。
もう少し繋いでいたかった、なんてわがままは言わない。



私もその横に座る。
肩と肩が触れ合わないくらいの隙間を開けて。



「大丈夫?寒くない?」



「うん、平気」



ホントは少し寒い。
今日は夕方は気温が低くなるって言ってたっけ。



でも、今何か余計なことを言ったら。