【完】お人好しな彼に、恋をしました。


「どこにいるの、種梨くん……」


これ以上階段を上ったって、上にあるのは屋上だけだし。

……ん、屋上?




自分の通ってる学校だけど、入ったことなんて一度もない。


3年目なのに、そんなことも知らない。



いる?
いない?


ここにいなかったらどこを探そうなんて頭が考えるよりも先に、身体が動いていた。


屋上のドアを開ける前に、呼吸を整える。


1階から7階まで登っただけなのに、息切れしている。