気付いちゃいけない。
気付いたら、もう戻れないから。



誰にも言わない。
言ったら、きっと泣いてしまう。




『 ───くん、 ───くん』

私には、好きな人がいるのに。



もうずっとずっと前のことだけど、消えない小さい頃の記憶。



なのに、どうして


『瀬野さん』



今はこんなに彼でいっぱいなんだろう。


どうしてこんなにも、あなたに惹かれるの?





「もう……どうしてここって絡まっちゃうんだろう…」