「……っ、ひっく……」 私は、泣いているんだろう。 これは一体、何の涙……? その日の夜、麻桜から電話がかかって来た。 「もしもし?」 『琴葉!?あんた今日大丈夫だったの?』 電話越しにも関わらず大きな声で、思わず携帯を耳から離す。 「……何のこと?」 『琴葉どこに行ったかってクラスの子に聞いたら、ふなすずに連行されたっていうから……』 連行って…大げさな。 別に誘拐されたわけじゃないんだから。