種梨くんのことが本気で好きだと言うのは痛いくらいに伝わってくる。 「私だって、したくないんです。瀬野先輩個人に危害を加えるなんてこと。 遥希先輩に近付かないで欲しいだけなんです……!」 忠告はされたけど、確かに私に手を上げたとか嫌がらせをしたとかそういうのは一度もない。 ただ、彼が好きで。 彼女は恋してるだけだから。 「……分かった」 そう言った時、ちくりと胸が痛んだ。 同時に、モヤモヤした気持ちが私を襲う。