「……麻桜!」 「こと……っ!あんたどこまで……って、わぁ!?」 会場の見取り図を頼りにさっきの観客席に戻り、私はとりあえず麻桜の腕を引く。 早く、ここから逃げた方がいい。 本能が危険を察知しているような気がして。 「は、早くアイス食べに行こう!?もう、うちの学校試合終わったでしょ!」 「そうだけど……あんたどうしたの?」 不安は、尽きることがない。 ううん、むしろ大きくなってる。