「でも、本当に彼のお人好しはすごいんだから!この前もね……」 キーンコーンカーンコーン 「もう、充分分かったから!」 耳を塞いでる私の隣で話し続けた麻桜が、担任の先生に真っ先に睨まれたというのはもはや言うまでもありません。 3年になって半月程過ぎて。 席替えもしていないからまだ出席番号順に並んでいる席。 先生が出欠を取っている間、私の2つ後ろの席に座る種梨くんを見る。