【完】お人好しな彼に、恋をしました。


「瀬野せーんぱい、どうかしました?てか、どうしてこんなところにいるんですかぁ?」



パタパタとこちらに駆けてくる足音。
彼女が私のそばに来たということは見なくても分かる。



また、あの時のように何か言われるんだろうか。


いやでも相手は後輩、年下じゃない。
怖がってどうするのよ。



背伸びして私の耳元に顔を寄せる彼女。



「私、言いましたよね?遥希先輩に近付かないでって」


「……うん」



「バラしてもいいんですか?先輩の過去のこと」