こんなに気温が高くて暑いのに、彼の手はすごく冷たかった。 「今日、ほんとはK大摸試がある日でさ…K大は勉強すればいいけど高校の部活は今しか出来ないだろ? だから今日は柔道に集中しなきゃって自分でも分かってた、なのに俺は…!」 彼の手が、私の手を強く握る。 痛いけど、きっと彼はこれの何倍も心が痛いんだと思う。 「試合のときに、一瞬、ほんの一瞬だったんだけど、模試の話を断った時の先生の悲しそうな顔が頭をよぎって ……気付いたら、投げられてた」