彼が本当に完璧で弱みなんてこれっぽっちも見せない冷たい人だったら、同情でよかった。 遠足の時に一瞬だけ見せた表情やこの前の無理した笑顔。 やっぱり、気になる。 彼に会ってこの真相を確かめたい。 麻桜には少し迷ったとだけ告げ、まだ探してないところを探す。 場内の端っこ。 非常階段のところに座り込む道着姿の誰かの姿。 それが誰かなんて、分からない。 でも、彼であってほしいと。 「種梨……く、ん?」