「わっ、ちょっと待ってよ!!」 電車に揺られて20分、駅から歩いて5分ほどで辿り着いたそこは… 「……競技場?」 麻桜がこんなとこに用があるとは思えないんだけど。 戸惑う私の腕を引いて、私たちはその中に入る。 「え、ちょ!?何?ここどこなの?」 「見た方が早いんじゃない?」 立ち込める熱気。 道着に身を包んだ男子たち。 赤いテープで仕切られた畳の上にいるのは、試合をしてる人たちだろう。