私、結構恋愛には慎重なんです、なんて言いながらニコッと笑うその姿は、 以前までの私ならきっと可愛いと思っただろう。 でも、今は少し怖い。 「…遥希先輩に、近づかないでくださいね」 去り際にさようならとお辞儀をして走っていく鈴音ちゃんを見つめる。 …どうして、私なんだろう。 彼の周りには、私なんかより可愛い女の子がたくさんいるのに。 他の子にも、こうやって釘を刺しているのかな。 種梨くんに近付かないでって。