もう部活終わっちゃってたんだ。 じゃあ、傘返せなくても仕方ないかな。 私は手に持ったビニール傘を見つめる。 「可愛い傘ですね、それ!あ、でも今日って雨降ってないですよね?」 「種梨くんに借りてたんだ。返そうと思ったんだけど……」 帰っちゃったならまた改めるよ、と私が笑って言ったら 鈴音ちゃんがものすごい勢いで私から傘を奪う。 「わ、私が先輩に渡しておきます!今ならまだ走れば追いつくかもしれないですし……」