彼が優しいって噂は聞いていたけれど、こうやって実際に体験したのははじめてのことで。 今まで、話したことすらなかったのに。 受け取った紙をじーっと見つめていると、あぁー!!と叫び出す種梨くん。 「やっべ、翔希(しょうき)のお迎え行かなきゃ!またね、瀬野さん」 慌てて図書室を飛び出す種梨くんを目で追う。 「な、なに……あの笑顔」 またねって言った時に見せた彼の笑顔は、まさに天使の微笑みって感じで。 学校内の女子を虜にしているという噂の笑顔を、はじめてこの目で見た。