「女の子に風邪なんて引かせられないから。瀬野さんが使って」 うぅ…爽やかな顔してなんでそんなに頑固なの。 「…じゃあ、半分ずつにしよ?」 「半分?」 「あ、相合い傘に、なるんです……けど」 じ、自分で言ったもののすごい恥ずかしい! 赤くなっているだろう顔を隠すため下を向く。 「えっ、俺と?」 「う、うん……」 今この場にあなた以外に誰がいるんですか。 「…瀬野さんが俺なんかと誤解されていいなら、俺は全然いいよ」