なな、なんでここに彼が……? 眠る前の状況を少しずつ整理する。 確か麻桜が後ろの席に行って…… ……種梨くんの席を奪って歌いだしたんだっけ。 肩の重みは彼だとわかって、ということは私の服を掴んでいるのも紛れもなく彼なわけで。 種梨くんはぐっすり眠っているし。 肩はもう仕方がないとして、とりあえず掴まれている服を離してもらわないことには身動きがとれない。