恋したvampire

「そっか」


しかし彼は、それ以上何も言わなかった。


あれ…?


「変だと…思わないんですか?」


「別に?」


あたしが尋ねると、彼はあっけらかんと答えた。


不思議な人…。


普通は変だと思うよね?


「じゃあ家はどこ? 送るよ?」


また彼に質問され、返事に困ってしまうあたし。


あたしが俯いて黙っていると、彼が口を開いた。


「……帰る場所がないなら家に来る?」


「へっ?」


思わぬ返事に驚くあたし。


「嫌ならいいけど…」


そう付け足す彼。


あたしは彼の行動に、ただ驚くばかりだった。