恋したvampire

この容姿からは想像もつかない彼の力に、あたしはただ驚いていた。


「大丈夫?」


我に返ると、美しい顔があたしを心配そうに覗いていた。


「はい」


あたしは掴まれた腕に視線を落としながら答えた。


「怖かったでしょ?」


そんな彼の優しい言葉に、自分が震えてることに気づく。


あ…あたし、怖かったんだ…。


一瞬の出来事で、よくわからなかったよ…。


「…君、ハーフ?」


彼はあたしを見て、不思議そうに尋ねた。


そうだよね…。普通疑問に思うよね…。