しかしある日の夜、いつもの夕食が終わった後、ついに彼が切り出した。


「ねぇ、ミリア……。どうして俺のこと避けるの……?」


やっぱり…気づいてるよね……。


前までのあたしはもっと彼に甘えていた。


でも最近は少しずつ会話も減って、習慣だったお出迎えもしないことがある。


あたしが何も言えずに俯いていると、彼があたしの目の前にきて顔を覗き込む。


「俺、何かした……?」


そんな瞳で見つめないで……。


その不安そうな瞳で見つめられると、ますます決心がつかなくなってしまう。


もういっそのこと、本当のことを話してしまおうか……。


もしかしたら、変わり者の彼ならあたしを受け入れてくれるかもしれない。


でも……。


彼だって普通の人間。ヴァンパイアだなんて知ったら、絶対に嫌われる。


彼に嫌われるなんて、そんなに辛いことはない。


ダメなの……。


彼の幸せのためにも、あたしは彼と離れなければならない。


彼と一緒にいれるような存在じゃないんだ……。


もう、一緒にはいられないの……。