恋したvampire


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「……ミリア、明日一緒に買い物でも行かない?」


いつも通りあたしが作った夕ご飯を終え、くつろぎながらビールを飲んでいる彼に突然言われた言葉。


「買い物……?」


「そ、買い物。何か欲しいものとかないの?」


欲しいもの…か……。


そんなの大体は頼めば彼が買ってきてくれるから特に困ってはいないんだけど。


「大丈夫だよ、慧くんが買ってきてくれるし」


何よりあの太陽の日差しを浴びるなんて考えただけでゾッとする。


「でも…ずっと家から出てないじゃん。さすがに退屈でしょ?」


確かに、最近はすることもなくて退屈だけど……。


外にはあたしにとって危険な物しかない。


もしこんなことしているところをあの人に見られたら……なんて考えただけで背筋が凍る。