恋したvampire

“ Beginning of love ”


彼が囁いた言葉に、首を傾げるあたし。


いくらヴァンパイア界で優秀と言われているあたしでも、英語なんて簡単には理解出来なくて……。


不思議そうに彼を見つめるあたしを見て、彼はクスクスと楽しそうに笑っている。


そしてまた顔をあたしの耳元に寄せて囁いた。


「英語で恋の訪れって意味だよ」


「ふぇ…⁉︎」


驚くあたしを見て、彼は更に楽しそうに笑うと、またあたしの頭をポンポンと撫でた。


「ミリアの反応、いちいち可愛いね」


そう言うと立ち上がり、バスルームに向かう彼。


「シャワー浴びてくるね」


そんな彼の言葉はあたしの耳には入らず、ただあたしはその場に立ち尽くしていた。