あ…もしかして薬苦手…?


「ちゃんと飲まないと治らないよ?」


「うぅ…」


あたしが言うと、彼は渋々薬を口に入れた。


薬を飲んだ彼は、そのまままた眠りについた。


あたしはそんな彼の白い頬をそっと撫でる。


「血…吸えなかったな…」


思わぬハプニングで、あたしの計画は台無しだった。


でも…仕方ないよね…。


今日、彼は熱を出していたのだから…。


あたしはまたいつでもチャンスは来る、と自分に言い聞かせた。


でもそれと同時に、本当に帰れるのだろうかという不安が押し寄せる。