―――――――――


――――――





辺りが暗くなり街の街灯がつき始め、待ちに待った夜が訪れる。


夜空には綺麗な星が並び、美しい満月が浮かんでいた。


そんな満月を見上げ、あたしは彼の帰りを静かに待っていた。


「これで…帰れるんだ…」


人間界は光が眩しく、居心地が悪い。


ヴァンパイア界に帰れば、あたしはお兄ちゃんのような優秀なヴァンパイアとして認められる。


しかし、早く帰りたいという気持ちの半面、少し寂しいと思っている自分がいる。


ダメだ…。


これ以上ここにいてはいけない。