「食べる?」


あたしが尋ねると、彼は時計を見た。


「今日は時間がないからいいや。ありがとう」


家を出る支度を始める彼。


明日はもっと早く起きないとな…。


少し反省するあたし。


「じゃあ、行ってくるわ」


「あ、うん」


「いい子にしてろよ?」


彼はあたしの頭を撫でて、ニッコリと微笑んだ。


その仕草に胸がドキッと高鳴る。


でも、いつも通り平然を装って彼を見送った。


彼を見送ったあたしは、すぐに洗濯や掃除などの家事を始める。


そうでもしなければ、彼のことばかり考えてしまうから…。