恋したvampire

すると彼はの奥にある部屋の扉を開けた。


「この部屋、使ってないから。自由に使って」


立ち上がり部屋を除くと、12畳ほどの部屋にベットとテーブルが置いてあった。


「慧さん…本当にいいんですか?」


こんな見ず知らずの女を、こんなによくしてくれて…。


何だか申し訳ない。


迷惑ではないんだろうか。


「いいよ。帰るとこないんでしょ? どうせ俺も一人だし」


彼はそう言って笑った。


さっきのような笑顔ではない。


それは少し寂しそうで、切ない笑顔だった。


「それと、慧さんはやめて?」