恋したvampire

湯気の立つ、暖かい紅茶を口に運ぶ。


「君、名前は?」


彼はキッチンのカウンターに寄りかかりながら、紅茶をすする。


それだけで絵になる容姿に、あたしは少し見とれていた。


そういえば、まだ名前言ってなかったっけ…。


「ミリアです。岡本…ミリア…」


岡本という名字は、お兄ちゃんが使っていた名前。


一応兄妹だし、揃えた方がいいかなぁって…。


「ミリアか…。俺は益岡慧。20歳の大学2年。慧って呼んでいいよ」


彼はそう言ってニッコリと微笑んだ。


その表情に、何故か胸がドキッと高鳴る。


どうしたの? あたし…。