恋したvampire

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彼に手を引かれ、連れてこられたのは高そうなマンション。


部屋に入ってみると、一人暮らしにしては広すぎるくらいの一室。


真っ白なグランドピアノまで置いてある。


家具はシンプルな白で統一されていて、彼のイメージとぴったり重なった。


そして、部屋に入ると同時にバラの匂いが鼻を掠める。


ふとテーブルに目をやると、真っ白なバラの花束が飾ってあった。


バラ…か…。


「バラ、好きなんですか?」


あたしが花束を見つめながら聞くと、彼はキッチンで作業しながら「まあね」と答えた。