恋したvampire

こんな人間もいるのか、と…。


でも、それなら話は早いかもしれない。


「いいんですか?」


あたしが聞くと、彼は柔らかい顔で答えてくれた。


「俺、一人暮らしだし。君がいいならね」


どうしよう…。


こんないいチャンスがあるものなのか…。


あたしはこの一生に一度のチャンスに、甘えることにした。


「じゃあ、お言葉に甘えて…」


あたしが言うと、彼はそっと手を差し出した。


「行こうか?」


「あ、はい」


あたしはニコッと笑って彼の手をとった。


彼に手を引かれて行く間、一瞬あたしの瞳が赤く光る。