暇があればふらりとやってきて、本棚をあさっていく赤色。

そのたびにちょっかいを出してやった。

なんかおもしろいから。




レオナのことを思い出すたびに自然と口元が緩む。



(…あいつをからかったときのリアクションが……たまんないんだよね)


からかうたびに、毎日毎日反応が違って、からかうのが楽しくて仕方がなかった。

今日はどんな反応を見せてくれるのかと毎日ワクワクしたものだ。


申し訳ないが所詮、ソフィアはそういう女。


震え起こる好奇心を止められるはずがない。


あの赤色が旅に出てからは退屈で退屈で仕方がない。









母と同じ、あの赤い髪…


赤い瞳……


小さいころはそれが変だと子供達にいじめられていた。


………助けなかったけど。

助けなかったソフィアのかわりにいつも敵を撃退していたのが、子供達の中で『鬼』と恐れられていたヒサノだった。

アランはわんわんと泣きじゃくるレオナの慰め係。



………傍観者は楽しいものだった。



ふふふ、と楽しそうに笑い、あの赤い子供の泣き声を思い出す。






ああ……、














大きくなったなぁ……