ゴッドネス・ティア

「――な、何ッ!!」



自分達を素通りにしていったスーを振り返る。

……髪が乱れて正直欝陶しい…。


だが、スーの行動を見ると…、そうも言ってられない。



スーは真っ直ぐと…あの赤い髪の少年へ、狂気に満ちた表情で向かっていた。


少年はポカンとマヌケな表情で向かってくる敵を眺める。


…もうスーとの距離はもう間近だ。



「―――ッ逃げろ!!」



もう叫ぶことしか出来なかった。


よく見ると少年の腰には…剣が刺さっているが、少年の力量がわからない。


あのぬけた表情から見れば……あまり強そうにも見えない。


華蓮とル・メイから見れば……レオナは絶体絶命だった。


すでにスーと少年の間合いは一寸程。


華蓮とル・メイは……今から真っ赤に染まるであろう少年を、ただ険しい表情で眺めるしかできない。


もう……終わりだ。































「………あんまナメんなよ」