糖度∞%の愛【改訂版】


そんな病気すら厭わず好きだ、と。そんなことは些細なことだ、と。そうやってずっと一緒にいてくれることこそが、本当の愛だと私は思う。

そういう人だからこそ、心から愛することが出来るんだと思うし、私もその人のすべてを包み込んであげようと思えるんだと思うから。

そう言う人がいつか、絶対に現れてくれるって、そう思うことを諦めたくない。

でも、私のことを何も知らない人に、何も言わないまま告白の返事を言うのもためらってしまう。だから“爆弾”と言いかえて、私には秘密があると言外に教えているのだけれど。

でも五月女は、今までの誰とも違う反応を見せた。


「知ってます」


何の迷いもなく、私から一瞬も視線を外さずに、そう言ったのだ。

予想もしていなかった返しに、「は?」と、唖然とするしかできない。こればかりは表情を取り繕うことすら忘れて、ただ素直に驚いた。
だって、コイツの前で注射をしたこともなければ、それを知られる行動をとったこともない。
なのに、コイツは“爆弾を抱えたやっかいな女”と言っただけで、『知っている』と答えた。
つまり“爆弾”がどういうことなのかを、“知っている”ということだ。

――……どうやって知ったんだろう。