普通の友達同士では、あまり見られないスキンシップの連続に、最初は戸惑ったけど、やっぱりいつまでたっても慣れない。



「そういや昨日の夜、停電したじゃん?

まりや、大丈夫だった?」



「へぇ!?」



いきなり話題を振られて、素っ頓狂な声が出た。



頭の隅に追いやられて少しの間、忘れていた記憶が再び栞によって引き戻されてしまった。



思い出すだけで、恥ずかしくなる。



朝、目が覚めたら大翔君の寝顔が目の前にあって、つい見惚れてしまった。



だって、凄く綺麗で、でもちょっと可愛かったから。



ずっと見ていたいくらいだったけど、自分がしたことを急に思い出して、大翔君が起きる前に逃げてしまった。



迷惑かけて、我儘言って困らせたのに、私って嫌な奴だよね。



お礼も言わないで避けるように先に家を出てきちゃったけど、変なふうに思われてないか心配。



今朝の出来事をぽや~んと思いだしていた私の視界に栞がジト目で見ているのが入った。