髪を直してもらってる間、どこに目を合わせていいのかわからず、キョロキョロと目が泳いでしまった。



「出来たぞ」



そんな声に顔をあげると、自分でセットするよりも綺麗にまとまった髪形になっていた。



「あ、ありがとう。

大翔君は、何でも出来ちゃうね」



「そうか? 別に普通だろ」



ううん、器用だよ。



家事がてきて、こんなにカッコイイなんて、学校の女子たちが知ったらもっと人気出ちゃうよね。



だから、こんな大翔君を知ってるのは私だけの秘密。



2人で朝ご飯を食べて、少し時間をずらして登校する。



一緒に家から出てきたところを学校の生徒に見られたら、大騒ぎになっちゃうから。



いつも私を先に登校させてくれる大翔君。



代わるって言っても「ダメ」って言われちゃう。



本当なら、一緒に登校したいっていうのが本音なんたけど。